はちみつショップ 武蔵野房養蜂場「ラ・ルーシュ」

商品:はちみつ 2,000円〜、プロポリス 7,000円〜

蜂の生活

12か月の蜂の生活の解説です。

昨年11月末、長野県から戻ってきた蜂群は巣箱の中でおしくらまんじゅうのように押し合いをし蜂球を作り温度を32度位に保って静かに越冬中です。しかし、蜂球の中心では少しですが育児を続けている群もあります。昨年秋、イチゴハウスのポリネーションで活躍中の蜂群の中には過酷な環境での労働で壊滅群も出始め、イチゴ農家の要請で新蜂群への入れ替えも実施します。 立春に先駆ける月初め過ぎ、養蜂家は「今年の越冬成績はどうかな?」と期待 と不安がいり混じる中巣箱を開け、糖液の給餌とダニ駆除薬の投与をし、暮れから寒さに合わせていた蜂群の入った巣箱に紙等で保温をし「春が来たよ」と告げ、産卵を促しますが、彼らも太陽の角度から春の到来を知っていて女王は産卵を開始します。
立春を起点に産卵始めた蜂群は、野外の梅の花の花粉を集め子育てをし、20日のお彼岸頃からは産卵もピークに達し1日1500個から2000個と自分の体重以上の卵を産んで来たるべき4月下旬の大流蜜に備えます。 彼岸の頃になると昨年秋に生まれた越冬の働き蜂は寿命を迎え今年新しく生まれた働き蜂に後を託します。 1月、約1.5万匹前後で越冬していた蜜蜂はこの時期になると3万匹の大家族になり、1日に2千匹位の勢いで増え続け、桜の花が満開に合わせて巣箱の容積が二倍になるよう継ぎ箱《平屋から二階建て》にし蜂蜜採取の準備をします。 例年都内では桜の花の終わる20日頃に第1回目の採蜜となり1群10キロ前後の収穫です。下旬になると動蜂の数はピークに達し5万匹から6万匹になります。
都内は花のピーク《養蜂家は大流蜜期と表現します》を迎え蜜蜂も私達養蜂家も1年で一番忙しい季節です。 この時期、蜜蜂の巣内から蜂蜜を採っても野外には次から次に花が咲き、巣内には3日もすれば貯蜜されますが濃度が薄いので夜間彼らは羽で旋風し乾燥させ糖度が77度位まで上がると蜜の入った巣房に蜜蝋で蓋がされ巣版の2、3割に蓋がされると再び採蜜をします。 夏到来のこの時期、私は信州安曇野に蜜蜂を移動し、都内に比べると1か月遅れで開花するニセアカシアの蜜を採ります。この季節の長野県は蜜蜂にとっては最高の地ですが天敵のツキノワ熊が生息地していて蜜蜂の巣箱を壊して蜂蜜と蜂の子を食い荒らすので巣箱の周りには熊避けの電気柵を張り8000ボルトの電流を流して防御しています。このツキノワ熊の脅威は11月まで続きます。
季節が1か月遅れの安曇野も梅雨と夏の暑さがやって来て、野外の花の少なくなるこの頃から蜜蜂の繁殖をします。蜜蜂の中には優秀な群が居るので全体の蜂群の中から優秀な何群かを選び、巣房の中から孵化して2日齢の蛆を掬い採り人口の王台《女王蜂を育てるベッド》に移虫すると約12日位で処女王が誕生し、1週間後には交尾、10日後には産卵が始まります。1群を3分割し3倍の数蜂群に増やします。 給餌の季節です。新女王が生まれましたが野外の花が少ないこの時期長雨が続くと蜂群は餌不足で餓死することがあるので砂糖を溶いて糖液を作り給餌とダニ剤を投与をします。また先月の新王群の中には交尾に失敗する群等3割位は思うように行かない群もありその救済を実施します。信州の山中とは言え炎熱の夏の作業は養蜂家の真価が問われる時期ともなります。
秋風と共に天敵スズメバチが新女王蜂の群にダメージを与えるので巣箱にトラップを付け防御します。幸いな事に私の転飼先は標高が高く大スズメバチが少なく被害は少ないようです。蜂群は蕎麦の花を代表とする秋の花に訪花し蜂群を更に充実させ、巣内では越冬の働き蜂が生まれます。この越冬蜂は野外活動等は一切せずジッと巣内で過ごしています。《蜜蜂の寿命は飛翔等の筋肉疲労度です。》来年の成果はこの時期に掛かっています。 初旬は9月に引き続き蜂群を充実させ、貯蜜の少ない群には越冬に必要な巣板の半分が蜜で満たされるまで給餌を実施します。これを怠ると越冬中に餓死群が出てしまいます。中旬以降になると霜が降りるようになり、蜜蜂には過酷な季節の始まりです。暖かな日中にはスズメバチの襲来が激しくなり油断するとトラップが有ってもすり抜け巣内に侵入し巣内の蜂をかみ殺した後巣を乗っ取り蜜や蜂児を食い漁り蜂群を滅亡させます。この時期から蜂群の一部はイチゴの受粉用として出荷します。
寒さが一段と厳しくなってくるとスズメバチも来なくなり養蜂家は一段落の季節です。 蜜蜂は寒さに合わせ産卵を減らし、蜂球を作って静かに越冬体制に入ります。月末には東京に蜜蜂を移動のため巣板の釘止め等荷造をし引っ越し準備です。お世話になった信州の皆さんに来年の初夏までのお別れをして帰郷です。 東京に戻った蜂群は信州より暖かいので 産卵を始める蜂群も有りますが少しの動蜂を育てるため多くの動蜂の寿命が短くなるので巣箱に保温の覆いとかはせず出来る限り寒さに合わせ産卵を抑制するようにします。 養蜂家には休息の季節です。来年の巣箱、養蜂資材の準備をします。イチゴハウスに行った蜂群のケアも実施します。